子どもの示す言動をわがままや自己勝手と決め付けず、子どもの視点に立って言動を分析しましょう。また、長所を探し認めるように心がけます。そして、何事にも時間がかかることを理解し、適切な支援と援助を続けましょう。子どもに対して、誠意をもって接することが大切です。
- ① 注意力への対処例
- ・注意散漫にならないように邪魔なものや机を教室から排除します。
- ・口頭の指示は単純明快で簡潔に心がけます。
- ・気が散らないよう、最前列もしくは教員の近くで適宜声をかけます。
- ② 衝動性への対処例
- ・正しい行為、気付かせたい行為を紙に書き、目に付くように貼って注目させておきます。
- ・不適切な言動を示した場合、その紙を読ませて気付かせます。
- ・些細なことはできるだけ無視し、良い場面があればすぐに褒めましょう。
- ・予め行動ルール、約束を決めておき、約束を守った際には褒めましょう。
- ③ 多動性への対処例
- ・大切なことは、大人が主導権を持って動ける場を提供してあげることです。
- ・多動性は無理に押さえず、授業中に小休止させたりストレッチを取り入れたりします。
- ・子どもに完璧な態度を求めず、多少のだらしなさは容認しましょう。
現在ADHDの治療によく利用されている薬は、中枢神経刺激約、塩酸メチルフェニデート(メタリン)です。有効率は70~80%程度で、副作用に注意しながら適量を見つけます。医師とよく相談しましょう。
その他にも、ソーシャルスキルトレーニングや生活全般の指導・支援などがあります。
また、保護者や関係者にも疲弊しているケースが多く、支援が必要です。努力を認め、慰労し支え合い認め合えるネットワークの構築が望まれます。