高機能自閉症の療育・支援方法

① 障害の理解と告知
高機能自閉症やアスペルガー症候群の子ども達は知的には遅れがなく一見普通です。しかし、表面的には軽度であっても、発達の広い範囲にわたっていろいろな障害を持っています。そして、通常の学級の中で同年齢の子どもと対等に付き合いながらも、大変な生き辛さを抱えて毎日過ごしています。まずは保護者や教員が子ども達の障害に気付き理解することが支援の始まりです。さらには年長になった時にきちんと告知することも大切です。誰が、いつ、どのように告知するのか、保護者の方と主治医の先生とでしっかりと話し合い、検討して決めましょう。
② 学習面の援助
学習面の困難を持つ場合が多く見られるため、子どもの不得意分野や科目をきちんと理解し、学校でも家庭でも学習面で特別な配慮や支援を行う必要があります。
③ 対人関係のスキルの向上
前にも述べましたが、高機能自閉症の子どもは対人関係を形成するのが苦手です。関わる大人たちが小さな頃から丁寧に分かりやすく人付き合いのコツや注意するべきポイントを繰り返し教えていくことが大切です。これが一番根気の要る作業であると同時にとても大切なポイントなのです。
④ 長期間相談出来る専門家を見つける
児童精神科医やカウンセラーなど保護者や子どもが長期に渡り相談できる専門家を見つけることも大切です。転居が無ければ同じ専門家のもとに定期的に通うことをお勧めします。保護者とともに長期間見守ってくれる専門家を見つけましょう。
⑤ 薬物療法
抑うつ、不安、パニック等出現した場合に薬物療法が有効であることが少なくありません。児童精神科医等の専門医のいる病院で診てもらうことをお勧めします。
⑥ 高機能ゆえの悩みと保護者の心構え
高機能自閉症やアスペルガー症候群の子どもは知的には正常なため、かえって毎日の生活の中で解決しなければならない過大が多くなり、生き辛さを感じることは前述から強調しています。他人の気持ちを中々理解できず、自分の気持ちも上手く理解してもらえず、感情を他人と共有できない。そんなすれ違いを幼少期から経験しています。子どもと向き合う保護者の方は大切に思っている気持ちや愛しているという気持ちを意識的に伝えて子どもが安全で守られている感覚を持つことができるように常に心がけてください。

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