何らかの外部要因が引き金になって混乱し、状況判断がつかず対応が取れなくなってしまった状態をパニック状態といいます。未体験の状況に出会い、これまでの経験からの選択肢、解決策がすぐに浮かばず、不安で頭がいっぱいになり、解決策を考えたり、どういう行動を取っていいのかわからなくなります。
そして、ただ泣き叫んだり、わめいたりするのか、呆然と微笑んでいることしかできなくなります。しかし、いずれの表情も援助を求めている表れなのです。
将来、就労・生活自立など社会で生きていくためにもパニックを自分でコントロールできるようにならなければなりません。そのためには幼少期から本人に合ったコントロールの方法を指導していくことが大切です。まず、どのようなときにパニックを起こしやすいかその原因とそれを引き起こす環境を知ることが大切です。
それによって状況を予測でき、援助しやすくなります。パニックを起こさないようにするには、不安感を解消させ、安心感を持たせることが大切です。
パニックが起きてしまったら、本人が落ち着けるように暖かい気持ちで援助し、自分の力で落ち着くまで待つことです。無理に黙らせようとするとそれが刺激となり、かえってエスカレートすることもあります。
他人が分からないようなサインを本人と決めておき、パニックが起きそうになったら、そっとサインを送って本人に知らせましょう。また、道に迷ったり、切符・お金を落とすなど日常生活に内在するパニックの引き金に関しては、模擬訓練を通じて自分で解決できる方法を体験させながら教えていきましょう。また、困った時は第三者に助けを求められるように教えていきましょう。