LD児の体の発達は健常の子どもたちとほとんど変わりません。小学校高学年から中学校の初めにかけて第二次性徴期にさしかかり、声変わりや髭、脇毛などの変化が見られます。
またこの時期は思春期と呼ばれる時期でもあり、心身ともに急激な変化が見られます。近年、変化が始まる年齢は早まる傾向にあるようです。
こうした中で性的な関心も当然のことながら芽生えてきます。この時期になりましたら、まずその兆候が現れているかをよく観察してください。
現代はテレビ、雑誌などを通じていたずらに性的な興奮があおられるような環境下にあります。LD児だけをこのような環境から隔離して、純粋に育てることは不可能です。
不安を伴っている性的な感覚、関心について「大人になった証拠であり、同年代の誰でも体験すること」と説明して、不安感を取り除いてあげましょう。
次に、本人の身体におきている変化についてもきちんと説明し、その正しい処理の方法を教えましょう。
また、思春期には親から離れて気心が知れた仲間づくりをします。他人の気持ちを理解するいい機会です。自分本位の主張、行動ではなく、相手の気持ちや立場を考えて理解、協調することが大切なことを教えましょう。
異性との交際のチャンスが出来たら、相手の親にLDについての理解をしてもらうことが必要です。また、本人には洗顔、髪型、衣類などの身だしなみに気を付け、人前では露骨な表現やべたべたしてはいけないなどの対人関係のルールを教えましょう。
特に、女の子の場合は危険回避の方法などについても教えておくことが必要となります。