親としては非常に大きな問題です。本人が小学校低学年の頃は、自分だけが特別な教材や宿題を出されたり、医療相談や検査のために学校を休んだりすることで、はっきり違いを認識できないにしても「何か変だな」という認識はあると思います。
そして高学年になってくると学力面でも隔たりがあること、同級の子どもたちと違いがあることをはっきりと認識していると思われます。本人もきっとこの違いで悩んでいることでしょう。LDという先天的な障害であることは、本人から聞かれるまでは話すべきではないと思いますが、本人の不安感を解消するための説明はする必要があります。
そのためには、その場その場で本人が苦手なことと、それをカバーするために努力が必要なことをきちんと説明して、理解させることが必要です。低学年の頃は、団体行動や共同生活ができること。思春期以降は、就労、生活自立に向けて感情のコントロール、問題解決能力を育てることが大きな目標になります。
また、苦手なことだけを指摘するのではなく、他の子と同じようにできること、得意なことも指摘して本人のやる気を起こしましょう。
この子どもたちの違いは傷ではなく模様にしか過ぎないと思います。違いは個性を形作る要素のひとつに過ぎないこと、人間は一人ひとり違うこと、違う個性の人たちがあつまって社会を形成していることを話しながら、人と同じようにできないことは本人の個性を形作る模様のひとつに過ぎないことを話してあげましょう。
しかし、社会生活をする上で必要なルールやマナーは体得する必要があること、そのために努力が必要なことをしっかり理解させなければなりません。