近年、LDという言葉が普及し始め認知が拡がってきていますが、まだ名前すら知らないという先生や名前は知っているが詳しい内容については分からないという場合が多いのが実情です。地域によっては、教育委員会が説明・研修会を先生に対して行うような例もありますがまだ一部の地域のみです。
このような状況の中、学校の先生との接し方を考えると「理解してもらう」「連絡を蜜に取って情報交換を絶やさない」ことが基本ですが、集団からはみ出してしまったりトラブルメーカーになってしまうと中々理解が得られない場合が多いです。しかし、そのような場合は先生側でも何らかの手立ては考えないといけないと思っているはずです。
親と先生がケンカをしてしまうと、間に挟まれる子どもはもっと不幸です。どうにか折り合いをつけて話し合い、子どもの特徴、長所、短所等双方が探っていける環境を作りましょう。また、LDやADHD、自閉症に悩む児童の場合、まめな声掛けやそばに回る回数を増やす、目を見て注意するなどほんのちょっとした配慮でずいぶん問題が軽減される場合もあります。そのようなちょっとした工夫・配慮について、親と先生で話し合っていくべきで、LD児に限らず、ADHDや自閉症を抱えた児童も同様です。
友人関係という点でいうとLDやADHD、自閉症を抱えている児童には友達付き合いが上手くできない子どもが多いので、深刻ないじめに繋がるケースもあります。ただし、就学前や小学校低学年の時期であればLDという意識も少なく、親の介入も可能なので親同士での家族ぐるみの交流をするなど様々な場を作って付き合いを広げて協力してもらうことが可能です。
小学校でも高学年になると、ある程度子ども達の世界というものができてきます。ここで対等な人付き合いが出来る友人を作るためには、たとえゲーム機が目的であったとしても意識的に友達を自宅に招いて付き合いをさせることが重要です。地域の子ども会やスポーツサークルなどにも積極的に参加して数多くの体験をさせ、様々な子ども付き合いを深めていくことが大切です。そして、親も一緒に足を運ぶ中で、友達にまめに声掛けし、ある程度子どもの性格等に関してのフォローを入れておくことも大切です。
中学校になると完全に子どもの世界が変わり、親が介入する余地はほとんど無くなります。中学校で友達を作るきっかけになるのが部活動です。適正や先生にもよりますが、うまく続けていくことができれば、ADHDや自閉症に関係なく、友人関係や先輩後輩の上下関係が生まれてきます。親は試合の応援等で支えていきましょう。
また、違う小学校から来る子どもも増えるため、本人のことを全く知らない子どももいます。その場合は担任の先生に説明をしてもらうなど、いじめの予防に繋がります。(逆効果になる場合もあるので本人の気持ちを考えた上で慎重に行動してください。)いずれの場合も、大切なのは親が学校や地域に積極的に出向くことや、ADHD、自閉症などの理解を深めていくことです。場合によっては役員を引き受けるなど、級友達に親の姿を見せていくことが本人のプラスになっていくのではないでしょうか。