労働提供の対価としてお金を得て、それを生活の基盤と人生の楽しみに使う、という働くことの意義を伝えることが大切です。そして、社会人としてのルールを守ることの必要性と重要性が理解できるように指導しましょう。現場に入ったLDADHD、自閉症を抱える方は仕事ができないと言うより、ルールを守れないなどの原因で問題視されるケースが多いようです。
仕事を続けていくためには、職場の中で良い人間関係が作れ、周囲の人と上手に付き合えることが最も大切です。そのためには、国語、算数などの教科学習よりも、職場での話題についていけるような知識を身に付け、素直で明るく人と接することができるように指導することを心掛けましょう。
人間関係を学ぶためには、学校以外の理解を得られる小集団の中で年長者や同年齢の人と交われるような場をつくることも有効な方法です。
長時間お仕事に耐えられる体力づくりや一人で電車に乗り降りする能力、金銭感覚を身に付けさせることも大切です。お金の計算や時間の管理などはLDにとって決してやさしいことではありませんが、生活に役立つ勉強や社会性を身に付けられるような体験をできるだけ多くするように心掛けましょう。
また、自由時間や余暇の過ごし方が難しいと指摘されています。余暇の時代を迎えて、趣味づくりや気分転換、お金の使い方などを指導することも必要でしょう。
一方、親はできたことをきちんと評価しながら、あせらずにゆったりとした姿勢でのぞむことを心掛けましょう。無理のない小さな努力の積み重ねで、達成感や自己有能感を育てることが大切です。