日本でLDが注目され始めてまだわずか10年。既に社会人になったLDにはあまり多くは伝えられていません。会社や仕事にうまく適応しているLDの場合、健常の人と同化してしまうため追跡調査もできず、把握できていないのが現状です。しかし、様々な特徴を持ったLDにとって適職を得るのは大変難しいのが現状です。高校卒業後、転職を5回繰り返し、ようやく小さな企業に落ち着いたという例もあります。
企業にとっては自我が強く、プライドが高い割りに仕事が中途半端になりやすいLDは理解し難い存在です。また、職場の中では自分から周囲の人たちに適応していかなければならず、仕事、日常生活、生活リズムの面でも細かい指導は期待できないのが現状です。一般の就労では企業がハンディキャップを認めている場合が少なく、特に厳しいと思われます。
LDが職場で引き起こす問題の多くは仕事の問題というよりもむしろ、遅刻などの職場のルールを守れなかったり、上司との人間関係がうまくいかなかったりといったことの方が多いようです。これらか原因で離職するケースが少なくありません。
普通校で学んできても、就労につなげることが難しいケースが増えてきているようです。中学校卒業以降、選択肢が広がるにつれて周りの仲間もばらばらになり、情報が得にくくなるようです。そんな状況だからこそ、色々な機会に情報を得るように心掛けましょう。