療育手帳は知的障害者が一貫した療育・援助を受け、手帳を見せることにより様々な援助や優遇措置を受けやすくすることを目的としたものです。
療育手帳の制度が発足した当時は、手帳で受けられる援助サービスが不十分でしたが、最近では様々なサービスが整備されてきました。国税・地方税の減税、JRや航空機運賃の割引購入、マル優制度などのサービスを受けるときの資格の確認に使われるようになりました。また、手帳を持っていれば就労に際して、援助付き就労や福祉的就労として法的な援助を受けることができるなど、療育手帳の役割と効果は大きく広がってきました。
学校生活を送る上で、療育手帳が無くても支障が無いと思われますが、就労や生活自立までを考えて、できれば本人も交えて療育手帳の取得について相談することが良いかと思います。基本的に秘密は厳守されますし、手帳の所持による社会的な不利益はないと考えて良いでしょう。
ただし、一般に障害の軽いLDの場合は手帳の取得がしづらいのが現状です。
療育手帳は、本人もしくはその保護者が福祉事務所、町村での障害福祉担当課に申請し、児童相談所または障害者更生相談所で知的障害と判定された人に知事が交付します。手帳の交付は、厚生省の通知に基づき、各都道府県ごとに行われるため、手帳の名前は療育手帳のほかに、愛の手帳、緑の手帳、愛護手帳など様々です。
また、障害程度の表示もA,Bの2ランクや、マルA,A,B,Cの4ランク、最重度、重度、中度、軽度の4ランクなど地方により異なりますので注意が必要です。