まず、親自身がしないといけないこととして、子どもの障害を認めた早い時期から将来の就労や生活自立に向けて、訓練や学習を積み重ねておくことです。
ほとんどのLDが苦手とする身辺自立、体力の増強、余暇活用、金銭や時間の感覚などについて学ぶ社会性を少しでも身に付け、支援しておくことが就労後およそ50年の人生を考える上で大切です。この準備は中学校在学中に卒業後の進路選択をするころから心掛けておきたいものです。
LDの就労に関しては、一度就労してもその後安定して続けられるとは考えにくいのが現状です。親が、仕事以外で同等に付き合える仲間作りや生活自立に向けたグループホーム作りなどを支援していくと良いと思います。
就労や生活自立の支えとなるような社会的な援助システムは、現段階では一般に障害の軽いLDには適用しにくいことを覚悟する必要があります。しかしこのような援助システムは、子ども達の生活自立に向けて親の努力で切り開かなければなりません。
国レベルの援助システムは親亡き後まで考え、不安の無い生活を送るためのもっとも重要なテーマであると思います。
また、主に知的障害者を対象とした現在の援助システムを活用することも大切です。福祉事務所などの窓口を通して、本人も同席し、自分から相談するようにしておくことも将来のために必要です。
親同士の支え合いや兄弟姉妹への多少の依存をベースとした指摘援助システムを作り上げておくことも大きな支えになると思います。