学校生活をしていく上で、担任の存在はたいへん大きなものです。
まず視覚・聴覚などの認知が悪い場合、他の部分からの援助を考えます。例えば視覚認知の悪い子の場合、耳から入る情報はきちんと理解されることがあります。逆に聴覚認知の悪い子の場合は、目から入る情報はきちんと理解されることがあります。
このようにいろいろな手段を組み合わせて指示することで改善されることもあるのです。
また、注意欠陥については、全員に呼びかけるときにきちんと名前で呼んでもらったり、座席を先生の手の届くところに変えてもらったり、まめに声掛けをしてもらうなどの配慮をお願いします。
運動が苦手なADHDや、LDを持った児童の場合、例えばボールを使うときは、ゆっくりと投げてもらったり、柔らかいボールを使ってもらい、教科学習で遅れている場合は、やさしい課題を用意してもらったり、ゆっくり進めてもらったり、先生の時間が許せば放課後や休み時間に特別に教えてもらったりすることも可能でしょう。
いずれにしても、親と先生が緊密に連絡を取り合い、先生の好意の範囲内で高機能自閉症や自閉症、ADHD、LDなどの障害を持つ児童に手を伸ばしてあげる必要性、しかも他の子どもからひいきと思われないように、どのような場面で、どのように配慮してもらえるか相談し合っていくことが大切です。
LDや自閉症、ADHDなどの障害を持った児童は、その特徴から普通学級での集団指導の中では孤立してしまう可能性があります。また、高機能自閉症は一見わかり辛い症状ですが、孤立する可能性を上げれば低くはありません。だからこそ先生の手助けが必要なのです。また逆に、先生の何気ない一言で、クラス全体が本人をいじめるような場合もあります。学校でパニックを起こしたときなどは先生に対処してもらうほかありません。
あれもこれも、と先生に言い過ぎてもいけませんが、大人の小さな配慮で、周りにとっても、高機能自閉症や、自閉症、ADHDなどの障害を持った児童にとっても大きな成果が得られることもあるのです